バルサミコ酢と日本のお酢のことを深く考えた日・広島にて。

モデナのお話には続きがあります。
先週は、醸造蔵「富士酢」(京都・宮津)をテーマにした料理を教わりに、広島を訪れていました。

ちょうどスペイン・イタリアを旅していた間に、ミシュランの一つ星をもらった「悠然いしおか」さんの
料理教室です。いつもとても面白い。
 



モデナで、私はりんごでバルサミコ酢を作ってる人の話を小耳に挟んだので、
葡萄じゃなくても出来ることを知りました。
バルサミコ酢の作り方を知れば知るほど、日本のお酢の作り方とどう違うのか?
日本の米酢はバルサミコのように作ることが出来るのか?
色々と興味がわいて誰かと話がしたかったところの、広島でした。

少し前、一時帰国中のakaneさんと再会した時に、お土産に少しだけ彼女の蔵のバルサミコをいただき、
私の疑問を色々と彼女に答えてもらいました。
彼女も今回の帰国中に、関西に来たついでに宮津の富士酢さんに訪れていて、
私の周りに宮津、モデナ、広島がぐるぐる糸で繋がっていくから不思議です(笑)

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とりあえず、日本の米酢でバルサミコ酢のような作り方ができるかどうかについて。
「米酢は、お米と麹でもろみを作って→糖を分解→アルコール発酵
その後はワインビネガーと作り方が同じになるわね。
糖を分解→アルコール発酵は、バルサミコ酢も同じだけれど、
葡萄やりんごを煮つめるって作業は、かなり珍しいよね。

仮に米酢をバルサミコ酢化できるか?という話、お米にはフルクトースが入っていないから無理ね。」

結論はっきりw


葡萄シロップにはグルコースとフルクトースの2種類の糖が入っていて、アルコール発酵はグルコースから分解されていくのだって。
続いてフルクトースの分解始まった頃、ちょうどアルコール度数の基準値に達したら、
種酢を入れて完全分解されぬ前に分解を止める作業をするのがバルサミコ酢。
だから、甘みが残っているお酢ができるのだそうな。
100%アルコール発酵させたワインビネガーを何年置いてもバルサミコ酢にならないのと一緒とのこと。

じゃあ、お米もグルコースが分解される前にお酢を入れて醗酵を止めるとどうなるかというと、
素材の糖度が低いので、甘みを残すためにグルコースを残してアルコール発酵を止めると、すぐにカビるか腐りかねない

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なんで煮詰めるんだろうと思っていた疑問も一緒に解決したのでした♪
糖度低い→酸度低いお酢(富士酢の酸度4.2%)
糖度高い→酸度高いお酢(ワインビネガー酸度7%)
糖度高い→酢を入れて発酵を止め、酸度抑えめ(バルサミコ酢の酸度6%未満)

ああなるほど~。酸味が低めで甘みがあって腐敗せずに熟成で旨味が出せるように、
バルサミコ酢ってその製法が編み出されたのがわかりました(納得)イタリア人の執念かあw

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さて。
前置きはこのくらいで。広島でのバルサミコ酢テースティングの夜のことを少し。

もう長年の友人である「駅西の小さなご飯屋」のsyunさん、「悠然いしおか」のshinさんと、
3人でバルサミコ酢を肴にワインを飲んだのでした。

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左の2本は、日本スーパーで買ったバルサミコ酢とイタリアスーパーで買ったバルサミコ酢、
ワインビネガー&モストコット(イタリアのぶどうシロップ)、akane家で買った9年もの、
akaneさんのお土産10年もの、最後がakane家秘蔵250年もの。

スーパーのもの「あ、これいつものバルサミコの味」
9年もの「美味しい~。これ好き」
10年もの「9年ものより酸味がある?」
250年もの「濃厚!もう酸味がほとんどない」

次に逆流してみる。

250年もの「うーん、これはどうやって料理に使っていいのだろう」
10年もの「このくらいがちょうどいいかも」
9年もの「やっぱりこれが美味しい」
スーパーのもの「あら?ぶどうシロップとワインビネガーの他に混ぜものしてある。嘘くさい味がする」

内容物を確認すると香料が使われていました。
香りと上顎に残る味が葡萄グミみたい。知らなかった。

shinさんが遊び始めました。
250年ものにモストコット(ぶどうシロップ)を混ぜて、ふむふむ。
9年ものにシロップを混ぜて、「250年ものと9年ものの間の味が想像できますね」
モストコットにワインビネガーを混ぜて、「9年ものにすごく近い味がしますね」
年月にひるまず、その先を見ようとするこの方に嬉しくなってしまいました。
楽しいなあ♪

売っているバルサミコ酢は、葡萄シロップとワインビネガーを混ぜたものと言うけれど、
即興でシロップとビネガーを混ぜたものの方がずーっとバルサミコ酢の味に似ていました。
合間に話しの寄り道いっぱいしながらテースティングをなん往復したことでしょう。
気がつけば午前さま。

とても熟成されたバルサミコ酢は美味しいけれど、100mlで12000円と言われると
それをサラダに使っても、食べてて緊張しすぎて美味しさもわからなくなりそうw
高価なバルサミコ酢は、今夜のようにちびちびナメてワインのアテにするのがいい気がしました。
9年ものくらいの酸味甘み旨味のバルサミコ酢なら、値段も存在も手が出やすいし使えそうなのに、
イタリアではバルサミコ酢の基準は12年以上。
うーん、9年物を樽で買いたい♪
すっかり気が大きくなってお開きでした(笑)


話は前後しますが、
テースティング前は、syunさんと「駅西」を歩きました。
その話はインスタで。


昼ちょっと前に到着して、お2人の素敵な女性と待ち合わせ。
マニアックな「広島昼の顔」散策、かなりディープでしたw

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「ホイコッケン」という燻製屋さんに、オリーブオイルの燻製が売っていてびっくり。
お土産に買ったカシューナッツの燻製があまりに美味しくてまたびっくり。
緑に埋まった夜だけ開いている小料理屋さんの外観見学w
普通じゃ見つけられない不思議なcafe(笑)
大雨の災害直後で大変な状況でしたが、市内は元気な姿で小さく胸をなでおろしました。
ここ数年前から訪れるようになった広島。
今回のような大雨は川の多い街にとっては脅威に変わりますが、
川を渡る風、キラキラ光る水面とそこに集う生き物たちや緑に、ほっとするのんびりした街。
瀬戸内の穏やかな気候に美味しい食材がいっぱいで、個性的な小料理屋さんが頑張っていて。
来るたびに好きになります。本当にいいところだなあ。

どうぞ今夜から西日本を襲う台風が、予報より軽いものでありますように(祈)


翌日の「お酢の料理教室」へと続きます。


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by africaj | 2018-07-28 12:08 | 家族との時間・友達との時間 | Comments(0)