マルケ・イタリア農家の昔ながらの生活 2(肉の解体)

注意書き1:今回は「豚半身の解体」なので、苦手な人は見ないことをおすすめします。

私にとってはこの秋もまたジビエ生活で鹿が多いとはいえ、猪やウサギや鴨って捌いて料理する日常なので、
後から何度も見直せるように細かくわかりやすく写真を構成しています。
次回は捌いた肉をソーセージにしたり料理していく記事なので、どうぞ安心して次から覗きに来てくださいませ♪

d0180447_10140692.jpg

注意書き2:今回、長~いですがあしからず。写真の編集も時間かかりましたわあ(滝汗)


さて。
カルロとジージャが育てているのは「チンタ・セネーゼ」という種類の豚。
今回はそれを解体していきます。

まずは腸の周囲のラードを取り出すところから。

d0180447_10141345.jpg

腸のラードが一番風味豊かだとか。
角切りにして精製用に。ラードを覆う薄い膜は帯状なので、サラミを巻く時に使う。

d0180447_10143163.jpg

頭を外していきます。

d0180447_10145606.jpg

頬と喉の肉はきちんと区別しておく。
骨や皮等は他の部位から出てくるものと合わせた後、全部煮て、軟骨や肉や耳をを骨から外し、
プレスして脂分を絞って成型する「チャウスコロ」という、
唯一火の通ったサラミに。

d0180447_10150281.jpg

左が頬肉で、そのまま食べる用に。
右がのど肉(頬下?)で「グアンチャーレ」と言われる部分。ほんのわずか。
5日間塩漬けにしてから、6~7ヶ月熟成させてグアンチャーレにします。

d0180447_10150701.jpg

後ろから背骨二つ目の関節から後ろ足を切り離します。

d0180447_10151592.jpg

丸く形を整えていくのが、プロシュート(イタリア生ハム)。

d0180447_10152008.jpg

まずは、背骨の切れ端を腰骨の丸い所(関節)で切り分けて、取り出します。

d0180447_10152768.jpg

丸く形を整える。

d0180447_10155922.jpg

きれいな脂身。こういうものはローブマリーなどのハーブと塩漬け4日間。
その後塩水で5ヶ月熟成させます。
塩分濃度は、「じゃがいもを一つ入れて浮くくらいまで」らしいw

d0180447_10153657.jpg

今回はプロシュートにしないので、そのまま骨を取り出して腿を開きました。
肉は一つのパーツにも上下で「赤っぽい肉」「白っぽい肉」があるので、色の境で切り分けました。
白っぽい肉は「サラミ」を作る用、赤っぽく筋のある肉は「サルシッチャ(ソーセージ)」に適していると。

d0180447_10160632.jpg


肋骨から指3本分(カルロは指が太いので2本分w)下にナイフで切込みを入れていきます。

d0180447_10154948.jpg

筋を切らないように、骨に沿って。
これはお魚をさばく時みたいですねw

d0180447_10161539.jpg

150kgだからやはり二人がかりでスペアリブを切り出していきます。

d0180447_10162615.jpg

肋骨(スペアリブ)と骨上でまず切り分け、骨上を前後に真っ二つにします。
写真で「これ」って書いてるのが下半身部分で「ロンボ」と言い、これがロース肉。
上半身が「ロンザ」と呼び、ここが肉の中で一番美味い部分なので熟成ハムを作るのだとか。

d0180447_10163444.jpg

これが下半身「ロンボ」。
ね。トンカツなんかでよく見る形ですよね♪

d0180447_10180108.jpg

スペアリブを切り取ったあと脂身は、上下半分に切り分ける。
腹の部分が「パンチェッタ」。
背脂は肉を削いで、きれいな塊は皮付きで塩漬けの熟成ラードに。

d0180447_10164047.jpg

パンチェッタです。

d0180447_10164723.jpg

こちら背脂。きれいに成形して、クズは粗挽きにします。

d0180447_10165538.jpg
パンチェッタ&熟成ラードにする背脂たちです。

d0180447_10170441.jpg
ラードは部位ごとに分けて、3種類の加工に振り分けていきます。
 ・熟成ラード(八角やローズマリーなどのハーブ類を混ぜた塩で4日間漬け→5ヶ月塩水に漬けて熟成する)
 ・生で粗挽きにする。
 ・茹でて溶かす。
 
 ☆一番風味豊かなのが腸のまわりのラード。これは角切りにしてミンチか溶かす用。
 ☆ももの脂、背脂のきれいな塊は皮付きで塩蔵して、熟成ラードに。
 
d0180447_10171210.jpg

前足に取り掛かります。
後ろ足との差は、肩に近い分、繊維と神経があって硬い所が多いのだとか。
なるほどなー。
スペインのハモンセラーノは前足の方がもちろん安いわけです。
薄切りにすると前足で十分美味い。そうか~肉質硬めって話だったのね。

筋を取りさり、端肉を削り取り、
後ろ足同様、肩骨とつながる丸い骨(関節)から外していきます。
最後に肉を丸く成形。

d0180447_10172045.jpg

生ハムにできる状態がこれです。

d0180447_10172714.jpg

解体する場合は、まず皮を削り剥ぎ、大腿骨に沿って肉に切れ込みを入れて、
骨を徐々に取り出していく。

d0180447_10173793.jpg

肉を塊ごとに分けていくと・・・

d0180447_10175290.jpg

左上の塊肉は10日ほど塩漬け→赤ワインで塩を洗い落とす→胡椒を擦り込み15ヶ月熟成させて「生ハム」に。
右上は前足から出た筋。コッパ・ディ・テスタ用。
下の硬めの白っぽい肉(赤いじゃないか!ってツッコミなしでよろしくw)はサラミ用。

d0180447_10174584.jpg

ってことで、第一ラウンド終了。
150kgの豚をどんどん解体していくカルロの手際良さには舌を巻きましたよー。
だって・・・ここまでで1時間かかったかどうかです。
この後、加工と昼ごはんの料理作りを同時にしていくんですから、ノート書きまくりw




[PR]
Commented by syun368 at 2018-06-08 21:36
africaさん 凄過ぎ!
解体の教科書みたいです。
綺麗なお肉、わくわくのレポでした。
(わくわくって言っちゃいけないのかな…笑)
グアンチャーレって頬肉かと思っていたのですが、喉のお肉なんですね。

う〜ん 早くお会いしたい!
Commented by africaj at 2018-06-10 10:58
syunさん

syunさんに教わったお魚の食べ方のごとく、全て食べきる美しさを学んできましたよー。
目に焼き付けたはずなのに、ちょっとしたことをもう少しずつ忘れてきてるので、頑張ってまとめました。

私もグアンチャーレって頬肉って覚えてました。
のどと言っても、どちらかというと下頬?のどにかかる部分だそうです。

shunさんは、こういうことをとても興味持ってくださるので嬉しいです!お会いして話したーい。
by africaj | 2018-06-08 15:19 | おでかけスペイン+イタリア・2018 | Comments(2)