11月からずっと見に行きたかった映画「この世界の片隅に」。
読んだよ!の代わりにクリックしてくださるとうれしいですっ♪
にほんブログ村
単館上映から始まってあれよあれよ注目を浴びて、
キネマ旬報の「日本映画ベストテン」で1位になってました。
アニメ部門じゃなくって日本映画全体の1位はすごいな。
独特の面白さ「ぼおるぺん古事記」の、こうの史代さんだったから観たかったのですが、
映画を観終わってから、この漫画を読んだ記憶はないのに、
最後の、被爆した妹がアザのある手をかざすシーンにそっくりな場面の漫画を
昔読んだなと思い出してみたら、
広島のお話「夕凪の街 桜の国」も、こうの史代さんでした。
どちらも淡々とほのぼのした日常が描かれていて、ただ住んでいたのが広島や呉だったというお話。
間接的にじわじわと、「なにがあったのか」を考えさせてくれる。
のんちゃんの声がとにかく良くて、やっぱりこの子天才だなとつくづく。
音楽の「コトリンゴ」さんの澄んだ声も優しく心に寄り添って染みました。
でも、玉音放送を聞き終わった時に
「最後まで戦うんじゃなかったのか!」ってすずちゃんが怒って号泣してた時、
どっちかというとぼーっとしてて感情的にならないほんわり優しいすずちゃんが、
本当はこんなに戦う決意をしてたんだって、私は違和感があった。
その違和感が、当時に生きるってことをまだ理解しきれてないってことか。
サギが飛んできた時に、「お前はここにいちゃいけない。」って
必死で広島へ逃がそうと見送るシーンが、今思い出しても泣けてしょうがない。
あの時呉に住んでいた人たちは狙われて大変だっただろうなとつくづく思うし。
呉から安全な広島にって思いが出てくる度に、観てる方は泣けてしまった。
小学低学年の時に、映画鑑賞会で観た「はだしのゲン」と、
読書感想文指定図書「かわいそうなぞう」ですっかりトラウマになって以来、
嫌悪で長いこと戦争から目を背けて生きてきた私。
こんなに怖いこんなに可愛そうって押し付けてくるような描写が強すぎて拒絶しちゃったら、
反省もできない。
結局「戦争」を冷静に考えられるようになるまで相当な時間がかかったのですよ。
もしも子供時代に観たのが、この「この世界の片隅に」だったら、
その年齢の頭で受け止められるものだけを素直に受け入れて、
当時の色々に興味も持ってちゃんと考えられたかもなあと思ったのでした。
前回見た「スノーデン」が今の戦争なのに対して、
「この世界の片隅に」は第二次世界大戦で、
どちらもある家族のドキュメンタリーって所が偶然にも似てる気がしました。
小さな幸せを願って日々暮らしてるのに、
いつの間にか「国家」の国益や覇権の争いに飲み込まれていくって描かれ方が似てる。
それぞれの国が、みんな自分の国の中で収まっていたら平和だったのに、
もっと広い領土、もっと強大な国にって「欲」が強すぎるのがいけない。
国民のためのはずが一部の人間の為に結局みんなが犠牲になるわけで。
もう国際関係のもつれは収拾つかないとこまできちゃったけど。
ほとほと人間の強欲ってのがイヤになるなってパパに愚痴ったら、
「そう。それで森に住み自然に帰ろうって70年代のヒッピーが出てきたんだよね」と。
LOVE&PEACE 最高の理想だからもっと広まってくれたら良かったのに。
でも、私達、
欲とかうんざりで、競争とか富や名誉とかもうどうでもよくなってるのだけど、
自分たちでできるだけ自給自足して静かに生きていこうって人たちが結構増えてる気がする。
ヒッピーみたいなもんだろうか
などと、つらつら考えながらため息ばかりの夜でした。
世界中の人が観てくれたらいいなあと思いました。
にほんブログ村