食前に喉を潤す小さな冷製。
これはお出汁ではないですが、とても面白いとりあわせ。
鱧の骨の出汁に塩だけの煮凝り。
そこに魔法のスープ。
トマト水を注いだもの。
ほんの少しの塩だけで、旨味は十分でいて口に残らず、お腹だけを空かせてくれました。
私も夏の収穫トマトを水煮にする時に、種と芯を取った後ざるに揚げておくと自然に汁が溜まるので、
集めておいて、取り除いた種と合わせて冷やして、翌日に朝イチで飲むのが密かな楽しみ。
ボウル3杯分のトマトで、わずかコップ一杯にしかならないのですが、
トマトを山ほど収穫しないと味わえない極上のお楽しみなんです。
このボトルの量をとるのにどのくらいトマトが要るかと思うと、大事に味わっちゃいますね。
「野菜と渡り蟹の生姜酢ジュレ掛け」
お野菜それぞれの味の付け方も教わって、このジュレ、さっそく真似したいですっ!
土佐酢のジュレをかけて。
液体よりも舌に優しくて、素材の下味を楽しみながら酢の物としても楽しめて、良いなあ。
錦糸瓜の歯ごたえと、白瓜のシャキシャキのうまみが印象的でした。
お汁はそれだけを飲むと味が薄い?ってほどに薄いのですが、食材の味を邪魔せず優しく包んでさらり。
先程とったお出汁に塩を少々足しただけ。
ちょっと足りないなって程度で味を調えるのですって。舌に挑んでくる繊細さです。
隠し包丁した甘鯛は串を打ち、日本酒をスプレー。
お魚全般、焼く前の日本酒スプレーでふっくらパリッと仕上がるとのこと。
さっそくきっちんに常備してみよう(メモメモ)
わあ、ふっくらと美しいっ!
干しておいた皮は、最初に素揚げしてから炭火でぱりっと。
サクサクでした。
日本酒なしの料理教室が残念すぎますっ!
「干す」話へ脱線して、shinさんのコレクションを見せてもらいました。
オブジェのように見事な・・・shinさん似の蛸w頭ツヤツヤ~♪
枝ごと干したぶどうもこの通り!
枝付きと言えば、スペインのマラガ産干しぶどうが超有名なのですが(めっちゃ美味しいのよ♪)
そっか、自分でも作ることが出来るんだあ(喜)
「玉蜀黍冷やし茶碗蒸し」
先程とった昆布出汁で限りなくゆるゆるな茶碗蒸しを作って冷やしたものに、
玉蜀黍のすり流しを入れたものです。
私も自分でとうもろこしを育てるようになって、shinさんに教わってから、芯や皮でお出汁を取った
すり流しを毎年夏の楽しみに作ってるんです。
とうもろこしが採りたてかどうかが一番のポイントのお料理。
収穫してる時にもう鍋でお湯沸かしてるくらいw
だからこその、芯や皮や髭からのお出汁ととうもろこしの甘みだけの余計なものが入らないすり流し。
2年前に教わった時は昆布を入れてたので、私は昆布も入れますが、「今のshinさん」は昆布も入れない進化を遂げてました。攻めてるなー(感心)
この茶碗蒸しに使う卵は、「白い殻」の方だそうです。
色付きより淡白。
本当に淡白。主役はとうもろこしでした。
「shinさんのだし巻き卵」と言われる、特別なだし巻き卵。
お出汁が信じられないほど多く入っているのに、流れ出ないでとどまっている。
これはそうそうに真似出来ないとは思うのですが、焼き方をじっくり観察してみました。
これができるようになるまで、タオルでも練習し、実践で火傷もしたそうです。
手首のスナップの感覚練習、中学で運動部に入った時毎夜やったなあなんて思い出すようなお話。
料理人さんってすごいなーって感心ばかり。
卵液を流し込む前に、まず銅の卵焼き器に油を何度も何度も入れてなじませ、温度調節してた、
あれがなにより大事なのだろうな。
そして、卵を巻いて銅肌が出るたびに油を敷く。そうか、やっぱりそうすべきなのか。
薄く流し込んで、気泡をつついて、スナップを効かせて膝を使ってふんわり巻いては、油を敷いて、
薄く流し込んで・・・焼き色を絶対つけないで巻き込んでいく。
四回は流し込んで巻くを繰り返して・・・
巻きすで優しく形を整えて、少し休ませて。
絹ごし豆腐のような舌触りなの。
ほんと、「shinさんのだし巻き卵」は特別です。
羽釜で炊いた、合鴨農法で育てられたコシヒカリ。
お出汁を取ったあとの昆布で炊く、昆布の佃煮。
そう、ちゃんと出しを取った後の昆布で作る佃煮や鰹のふりかけも教わりましたよ。
お出汁を取るのは大変ではなく、日々膨大に出る昆布や鰹を捨てるのが辛くて、
お出汁がとれなくなってしまうのが主婦なので。
「みをつくし料理帖」の澪ちゃんも、鰹節や色々と合わせたふりかけ作ってたな。
色んな本や人に聞いて、飽きないよう無駄なく、負担にならないように回すことが私には一番大事。
この昆布のほどよい味付けがshinさんです。
ご飯は硬めの炊きあがり。
噛むほどに甘みが広がりました。
最後に、赤だしのお味噌汁。
お揚げさん、カリッと焦げ目を付けて入ってます。
最近私も、煮物をする時でも鳥手羽を焼いてから煮てるんです。
白ネギも、焼いてからお汁に入れてます。
そうか、お揚げさんもそうしよう♪
「煮てしまう」と食材がくたっとして、お汁に旨味が出るとは言えそのものはお出汁味に染まってしまう。
焼いてあとから入れると、素材そのものの味を楽しみながらお汁も楽しめるし、焦げ目がまた旨くて。
お出汁のとり方、お料理の仕方、凝縮して教わった4時間でした(感謝)