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炭焼きプロジェクトのさらなる展開 

去年から始まった炭焼きプロジェクト、
ある大学が日本の義務教育システムに馴染めない子達を集めて始めたプロジェクトの一つでして。
教育に選択肢のない日本で、たぶんこれは新しい試みの教育実験のようです。

小学校時代は体験主義のフリースクールから公立の中学にシフトした息子ですが、
中2ですっかり覇気なく幽霊のように通学してるのを見て、カウンセリングに連れて行ったら、
ずーっと飲み込んできた言葉を全部吐き出してちょっと元気になり、
自分のための勉強じゃなく、評価される為テストの為に勉強をする日々が無駄にしか思えなくて、我慢ならないこと、
フリースクールのような高校や大学はないだろうかという、彼の思いを聞いて、
まあとりあえず義務教育は、子供が学校行く義務じゃなく、親の方に子供に教育受けさせる義務だから
ゆっくり休めばいいさってことで、中3から不登校を始めた彼。
このプロジェクトならフリースクールの延長線上の勉強ができそうだってことで、
応募して運良く参加できることになりました。

この2年間も色々なことがあったわけですが。それは端折るとして。


この炭焼きプロジェクトだけをダイジェストにしてみると・・・、

「野生の馬を飼いならして拾い集めた枝を、自分たちが修復した壊れた炭窯で、炭を作り、
それで肉を焼く」
という、最初は夢いっぱいの触れ込みに皆が妄想を膨らませたものでしたw

野生の馬?日本にいるの?ってそのインパクトの方が強かった。
しかし本当に大変なのは馬より炭窯の修復の方だったということを、この一年で知りました。


最初の作業は馬を手なづけて飼いならすことと、炭を作る研究。
今思うと、一番お気楽で旅行気分な旅だったんだなあw



壊れた炭窯の痛み具合の調査、不要物の廃棄、職人さん立会いの元にどう修復するか見当を付けに。
大学側の思いとは裏腹に、お子ちゃま達のとほほな行動。
帰宅した息子の話を聞いて、私なら激怒してちゃぶ台ひっくり返すレベルだなと
冷静に対処する「教授」のすごさに感心したのですが・・・
後日、飛行機代の一部はお小遣い天引きのペナルティーでって言い渡されてましたw
10ヶ月お小遣いを止められて、今ようやくもらえるようになったわけですが、
この10ヶ月で責任感や危機感の芽生えは目を見張るものがあるので、
ペナルティは、たぶんボディブローのように効いたんでしょう(苦笑)

現地では、去年の夏、北海道にすごい台風が来て浸水し、
釜のある一帯が地形まで変わってしまったので、作業していた炭窯はやり直しどころか、
マイナスからのスタート。
かなり過酷な状況からとなるけれど、参加者は?と聞かれて手を挙げたのが息子だけだったので、
息子と大学のスタッフだけで作業を続けることになりました。


ー20度の世界で24日間、炭焼き職人さんについて、備長炭を焼く修行。
炭を焼く技術、炭を焼くための釜の構造を学ぶ旅でした。


そして、今回7月の4泊5日は、
修復する炭窯の天井を壊し、不要物の廃棄をしに行っていました。

今回は息子以外に参加する子が5人増えてました。
初参加で、去年の息子たちのように寝坊し続けて使いモノにならなかった子もいたとかw
そんなことを聞くと、去年の息子たちの話で頭を抱えたのが懐かしいほど、
今年の息子はしっかりしているのです(家では相変わらずクラゲのようなのに)。
どんなダメそうな子も成長するもんだなあと、感慨深いものがあります。


さて、今日一番書きたかったことを。

このプロジェクト、どうなっていくんだろうと思っていたら、
「これから修復にかかる当座の費用100万円を、まずみんなで稼ぐことになったんだ。
先生も含め10人として、頭割りすると一人10万円。
オレは映画館でのアルバイトのお金を当てようと思ってるんだ。」って!

でも、釜を作るのに必要な粘土はすごく高いらしくって、
今その費用を大学側で割り出してくれてるんだけど、今後もっとかかるお金を
「一人ひとりで働いて持ち寄るより、昆布漁の短期アルバイトや農作物の収穫アルバイトって
泊まり込みで季節労働がいっぱいあるから、10人でまとまって働いていっきにお金を作ることを
今考えているところなんだ」って!!


大学がプロジェクトに募集していた子どもたちは、「不登校であることが望ましい」なんて
不思議な基準で、ちょっと面白くて笑っちゃったのですが、
その後教授が言うことに「不登校の子たちじゃないと学校が忙しすぎて参加できないからね」って。
確かに、ひとたび学校に通い始めると、卒業するまで休みなしですもんね。
長期のこんなことの入り込む隙間はないわけで。

最初は、誰かの考えた企画にお金出してもらって参加する感じで、
ま、こんなものなのかなあと思ったし、
実際、
炭焼きプロジェクト以外にあった「東京を起点に日本の南端と北端に鈍行で行く旅」プロジェクトは、
親が心配するからとか、お金が下りないからとかの理由で、
一見風来坊に見えて「事前に移動時間と宿泊も決めてのガチガチでお金のかかる旅」で、
寝袋持って野宿しながら旅するつもりでいた息子が、憤慨して参加を止めて抗議したこともありました。
(そして勢い余って、一人で青春十八切符持って夏の旅に行ってしまったヤツ)

今子どもたちは、どうやって炭窯の修復費用を稼ぐかで話が盛り上がり、
自分たちで事業を起こしたらだどうだ、得意技を持ち寄って店を開こうかと
知恵を出し合っていて、とても楽しそう。
今年17才になる息子、
焼肉が食べられるまでにあと数年こんなことやってるんでしょうねえw

すごい展開になってきました。
面白いです。
そしてこの教育実験が結果を残したら、日本の教育体制も偏差値偏重主義から抜け出せるかもしれないな。


炭焼きプロジェクトのさらなる展開 _d0180447_21385899.jpg

しかし、口唇ヘルペスになって戻ってきました。
栄養不足、過労、ストレスなどから来るウィルス性の水疱。
我が家はガスパチョを作ると一気に2L。
のどが渇いた小腹がすいたらガスパチョって、冷蔵庫に冷やしてます。
たんと飲んで回復すんだぞー。




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Commented by lacasamia3 at 2017-07-19 14:11
おおー、 良い感じね。アントネッロが友達と直してる水車小屋計画に似てる。 こっちも予算ゼロで何とか自力でやってるよー。 見せたいな
Commented by cyobihakessekida at 2017-07-19 20:37
こんばんは~♪
くーま君の炭焼きとは全く関係ないのですが・・・
うちの実家の山には炭焼き窯の後だけ残ってました。
昔は、家のすぐ裏がすぐ山なので、
各家庭で炭を作っていたみたいです。
昔は、何でも自分たちの手で色んなものを作り出していた・・・今は便利でいいですよね。
家でコメ野菜果物を作り、鶏を飼い、卵を取り、肉も頂き
機織りやったり・・・・
人の暮らしの時間の進み方もゆっくりだったんでしょうね。

ザーサイ美味しくなると良いですね・・・私も食べてみたいです!
Commented by papricagigi at 2017-07-19 22:59
頭を寄せあって、プロジェクトについてあーだこーだとアイデアを出して盛り上がれる仲間がいるということ、嬉しいね!本当にビジネス始めちゃうかもよ〜! 楽しみだっ。
Commented by africaj at 2017-07-20 21:13
> chihoさん

そうなんだ~アントネッロ新しい水車小屋を直しているの?
難しそうだったり予算がなかったり、その分自分の腕や頑張りの見せ所がいっぱいって、
やりがいを感じるみたいだねー。ほんと、いつかくーまに見せてあげてね!
イタリアのデザインや絵画、学びに行きたいって言ってるから行きそうだし♪
Commented by africaj at 2017-07-20 21:21
> cyobihakessekidaさん

こんばんは!
そんな釜後があるのですね。
息子が炭焼き職人さんから学んだには、炭はエネルギーとしてとても自然に優しいのだそうです。
各自が自分の手で作り出していた生活は、面倒くささもあるかもですが、
便利をお金で買うために、結局疲弊しながら働くより、シンプルで健全だったのだろうなと
私はそっちに憧れを持ってしまうんです。
大変でもきちんと時を刻んだ中にいて地に足がついてるなーって。

ザー菜、もともとが旨みたっぷりある野菜なのです。それもびっくり。
それを塩漬けにしたものは、旨味が濃かったです。
味付けして発酵させたら・・・ああ楽しみです!ご近所ならお味見してもらいたいっ♪
Commented by africaj at 2017-07-20 21:32
> papricaさん

アイデアを出し合える場があって、面白い仲間が集まったのも、ほんといい体験!嬉しいよ~。
それぞれが学校おん出た跳ねっ返り集団だから、なにをやり始めても、ありえる展開w
みんなでお金稼ぐ方法考えるって、何よりの実体験よね。私も見てて、楽しみ~。
by africaj | 2017-07-19 12:41 | 息子のはなし | Comments(6)

ついに、都会から田舎へ引っ越してきました!皆で家を建てたら、森暮らしの始まりです♪


by africaj